空っぽになった家を、最後に見た日のこと

売却体験談

引き渡しの直前、荷物をすべて運び出した後、最後にもう一度、空っぽになった部屋を見て回りました。この記事は、これまでのような実務的な内容とは少し違い、その日感じたことを、そのまま書き残しておきたいと思います。

子どもの身長を書いた柱

子ども部屋にしていた和室の柱には、子どもの身長をマジックで書いた跡が残っていました。何年分もの線が、少しずつ上に伸びていくのを、家具がなくなった部屋で改めて眺めました。

壁には、いつの間にか描かれていた鉛筆の落書きも、あちこちに残っていました。怒って消させた記憶もありますが、今となっては、それすらも懐かしいものでした。

自分で取り付けた飾り棚

リビングの壁には、マンションを買ってすぐの頃、自分で取り付けた飾り棚がありました。コンクリートの壁に、初めてアンカーを打ち込んだのがこの時です。ドリルの重さと振動で、手がしびれた感覚を、なぜか鮮明に思い出しました。

反対側の壁は、妻がペンキを塗った壁でした。最初、塗られたことに全く気づかなかった自分を見て、妻がニヤニヤしていたのを覚えています。あの時は「え、いつの間に」という驚きだけでしたが、今思えば、あれも良い思い出の一つです。

15年という時間

最初は、私と妻の2人だけで暮らし始めた部屋でした。そこに長女が生まれ、長男が生まれて、気づけば15年が経っていました。

日当たりが良すぎて、夏はとにかく暑かったリビング。電気式の床暖房は、なぜか思ったほど温かくならないのに、電気代だけは高かったこと。マンションの裏が公園になっていて、子どもたちがよく遊んでいたこと。

そういう、大したことのない日常の記憶が、空っぽの部屋を見ながら、次々と浮かんできました。

少し感傷的になった

正直に言うと、この日は少し感傷的になりました。売却の交渉や値下げ、内見対応など、半年間、どちらかというと現実的でドライな判断を積み重ねてきた日々だったのですが、最後の最後で、そういう気持ちが一気に溢れてきた感じがしました。

家族みんなで、最後の写真

最後は、家族みんなでこの部屋の写真を撮りました。特別なポーズをするわけでもなく、ただ、空っぽになった部屋をバックに、家族4人で並んだだけの写真です。それでも、この15年間を締めくくるには、ちょうどいい一枚になったと思っています。


これから家を売ることを考えている方も、きっと同じように、最後に何かを感じる瞬間があるのではないかと思います。手続きや金額の話ばかりが気になりがちですが、こういう時間も、売却という経験の大事な一部なのかもしれません。


この家を売ることになった、半年間の全記録はこちらの記事にまとめています。

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